イーサリアムをエーテリウムと呼びたいブログ

Ether ってなんて呼んでますか?イーサですか?私はエーテルと呼びたいです。カッコいいから!

Raiden Network、Ethereum メインネットと接続

まず最初に、先日投稿したなぜ Ethereum は人気が無いのか?について。正確な理由はよくわからないのですが、今までに投稿した記事の中でも最高の閲覧数が発生したようで、たくさんの方の感情を揺さぶってしまったようです。書いた意図としては軽い気持ちで Ethereum なんで人気無いの?という疑問を書き起こしただけで、ヴィタリクさんを除いて、なるべく特定の個人の攻撃にならないように配慮しましたが、もしかしたら傷つけてしまったかもしれません。事後となりますが、改めてお詫び申し上げます。


さて、今回はRaiden Networkの進捗について確認したいと思います。一か月前位?にリリースがありましたが、Raiden network はαバージョンまで開発が進んでいます。この状態は恐らくロードマップを見る限り基本的な機能の殆どの実装が完了しバグだしバグ修正をしている最中です。色々手間は掛かったり制限はあるものの実際に触れるレベルになっています。

Raiden Network って何?

Raiden Network の基本的な内容について Raiden 101 を参照するか、日本語記事なら「イーサリアムにおけるライデンネットワークの仕組みと問題点」をおススメします。日本語記事は Raiden 101 の内容の一部をベースに独自の考察を加えているようです。

大雑把にはトップページを読んでもらえれば大体分かると思います。

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  • SCALABLE: スケーラブル(リソースの量に比例して全体のスループットが向上する)
  • FAST: 早い(送金が早い)
  • PRIVATE: 非公開取引(Ethereum だと今のところ全取引が公になってしまう※ミキシング的な機能が追加されるかも今日のヴィタリクさんのツイートで要確認)
  • INTEROPERABLE: 相互運用性がある(ERC20トークンは扱える)
  • LOW FEES: 安い手数料(100分の1以下位?)
  • MICROPAYMENTS: マイクロペイメント(少額の金銭の支払いに向く)

という事で、オンラインショッピングサイトなんかで使ってもらうと良さそうな感じですね。ただし、1ノードで最大で100万円以下の上限があるとか、金額の制限があると大手では使えなさそうな気がします。うまく運用されないと個人間のP2P取引にしか使えないような印象があります。

Red Eyes

去年の末頃、v0.100.1 Red Eyes がリリースされました。Ethereum メインネットと接続して利用できるもののいくつかの制限があります。

  • すべてのチャンネルのデポジットの合計は250ETH
  • WETH(wrapped Ether)のみ利用可
  • 各支払いチャネルでの最大デポジット:0.15 ETH(0.075 per direction/node)
  • 一度限りの Deprecation Switch

詳細は以下の記事を参照してください。

medium.com

Deprecation Switchは Red Eyes を利用不能にし今後リリースされる新しいバージョンを使えるようにするためのスイッチのようです。一度有効にしてしまうと後戻りできないので注意が必要そうです。

バグ対応は活発に行われているようです。

github.com

今まで 1000 を超える issue(問題の事。バグ以外の事柄も含む) がクローズ(例外はあるが基本的に解決済みという状態)され、213件対応中です。たくさんの開発者が開発に関わっていますね。コードの更新も頻繁に行われています。

稼働状況

エクスプローラーが提供されています。

explorer.raiden.network

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ユニークなアカウントは 41、オープン済みチャンネルは 57。ネットワーク全体のデポジット量は1.654WETHです。Raiden Networkそのものは絶賛開発中の状態でもしかしたら中身を取り出せなくなる恐れがあることを考えるとデポジット量は少なくなさそうです。

α版を使うには?

ドキュメントが公開されています。

raiden-network.readthedocs.io

現状は LinuxmacOSWindows はサポートされていませんでした。Windows Subsystem for Linux (WSL)で動作するか微妙ですね。大抵のアプリケーションは動作するから問題なさそうですが。Requirements for Safe Usageによれば、Ethereum ノードと Raiden Network ノードを専用機に建てたほうが良さそうです。Ethereum は軽量ノードでも問題無いか不明です。

Raiden Network Token (RDN) の現状

チャートは冴えない状況です。Red Eyesでは WETH が使われていたので、今は特に機能していないでしょう。Ether のように Raiden Network の基軸通貨として機能するか微妙な気がします。たしかヴィタリクさんは特に独自トークンは要らないと批判してたような記憶があります。

まとめ

実用性は今のところありません。βになればかなり使えるレベルになると予想しますが1年は掛かりそうです。

ドキュメントを見る限り、個人で運用するのはかなり面倒だと思います。実利用には誰かのサポートが必要でしょう。仮想通貨技術を利用した低廉な決済システムは需要があると思いますが、このあたりがネックになりそうです。次回は「仮想通貨技術を利用した決済システムが普及するには?」というテーマで記事を書く予定です。(一旦 Raiden Network そのものからは離れます)