ブロックチェーンは終わったのか?
最近 PUBG Mobile ばかりやっててブログが書けてなかったのですが、今日は久しぶりにブログを書いてみました。PUBG mobile にはロイヤルパスというポイントを集めると景品と交換できるシステムがあって、その景品でアバターに使うツインテールが欲しくてここ数日はゲームばかりやってました。
さて、前から書こうと思っていたテーマで、今回はブロックチェーンは終わったのか?ということで、お話したいと思います。基本的にこのブログは Ethereum を中心に仮想通貨をテーマに扱ったブログで、投資判断に役立ててもらうつもりで書いていますが、私の都合で書いているので今回の内容もポジショントークの類として気軽に読んでください。このブログは広告は表示されているものの、Hatena で勝手に表示しているもので私は広告収入も貰っていないので自由に書かせて頂いています。あともう一つ、Google 批判が目的ではありませんのでご了承ください。
ブロックチェーンは終わったのか?
金槌を発明してはみたけど使い道が見つからなくて叩くものを必死で探してる状態になりつつあるブロックチェーン(=応用が出てこない)。ブームに乗って手を付けたはいいけど、「やっぱ普通の分散データベースでいいじゃん」という事実にやがて気づく・・・なぜこんなことになっているのか考えてみた。
— Kentaro Hara (@xharaken) 2019年3月13日
この方は、Google のエンジニアで Chrome 関連に関わっているようです。この方以外でも例えばビットコイン至上主義者等はプライベートなブロックチェーンは意味が無いとか、企業利用におけるブロックチェーンを完全否定していることはよくあるわけですが、私はどちらもそうではないと考えています。
パブリック利用で
xharaken 氏はパブリックな利用において、ビットコイン以外にブロックチェーンの応用例が存在しないと主張されていますね。でも Ethereum を知っている人からするとそうでは無いということは明らかだと思います。
ヴィタリックさんはインタビューの機会の度に、スマートフォンを例に Ethereum とは何かを下のように説明しています。
『仮想通貨ビットコインは計算機、イーサリアムはスマートフォン』ヴィタリック氏がETH開発のルーツを辿りつつ比較
大学を辞めてすぐに、多くのブロックチェーン技術を用いることで、単なるピア・ツー・ピア通貨よりも面白いことができることに気付いた。
イーサリアムの基となるアイデアは、より多くの種類のアプリケーションに用いられるプラットフォームを構築する、最も論理的で簡素なプログラミング言語によって成り立つブロックチェーンであった。
つまり Ethereum は簡単にいうとブロックチェーン2.0です。ビットコインをブロックチェーン1.0(通貨での活用)としたら、Ethereum は通貨以外の目的でも使えるようにしたブロックチェーン2.0なわけです。実際、Ethereum では通貨以外に、株式的な何か(ERC20等)、分散型取引所、ネーミングサービス(ENS)、マネーマーケット(Compound)、ETFもしくは投資信託的なもの(Uniswap)、ゲームアセット(画像や音源などの素材)を扱えています。ここまで出来て、かなりの金額が動いている現状で、応用例が無いと言い切れるでしょうか?
企業間利用で(プライベートな利用で)
日本ブロックチェーン協会は、独自に技術としてのブロックチェーンを定義している。
ブロックチェーンは以下の諸点でビットコインよりも一般化された概念である。
管理者を置けるし、取引履歴も非公開の形で運用できる[59]。 採掘者(マイナー)[60]や、暗号通貨ないしトークンは設計次第で必ずしも要しない。 企業などによって運用されている既存の決済・ポイントサービスなどのシステムを、記録が非公開で運用されるブロックチェーンのシステムに代替することにより運用コストが削減され、決済手数料等が抑えられると期待されている[61][62][63][3][64]。
ということで、定義的に見てプライベートなブロックチェーンは意味が無いということは無さそうです。
数か月前に Newsweek にて "インターネットを超えるブロックチェーン" というタイトルで特集が組まれました。内容はビットコインはほぼ関係なく、Ethereum のパブリック利用と Enterprise Ethereum の企業利用に焦点が当てられていました。
これを見ると分かるのですが、殆どの企業で全然ブロックチェーンを使うところまでいっていないことが分かります。ただし意欲だけは強く感じます。つまりどういうことかというと、開発工程でいえば、受注前の作業というわけです。
開発工程ですが、ざっくり言って下のような感じのことが多いようです。 これは、プロジェクトの規模や性格で下の工程の一部が省略されたりすることもあります。また、会社により呼び方が違うことがあります。
で、ようやく最近になって、JPモルガン・チェースが中心に開発を行っている Ethereum ベースのブロックチェーン技術 Quorum で銀行間送金をやるということで、要件定義が始まった感じがしませんか?Quorum については当ブログで説明していますので、そちらをご覧ください。
実証実験ばかりで、今まで企業が開発に移れなかったのは、「今までブロックチェーンを利用したくても、ビットコインくらいしか実例も無いから手を出しにくいし、利用できるソフトウェアも無い、そしてなにより使いこなせる技術者がいない」ということが大きな原因だと考えています。この問題は、Quorum によって解決されるので今後実際にブロックチェーンを利用したシステム構築が進展していくものと期待しています。Quorum なら Ethereum のテクノロジーと開発者を利用できるし、サンプルになるスマートコントラクトのコードも豊富にあるということで大変開発に利用しやすいです。R3 の Cordaのようなプロプラエタリなブロックチェーン技術と違って、OSS なのも大きな優位性になるでしょう。単純に人材を雇える意味もあるし、OSS的フィードバックも得られるはずです。
データベース製品の雄である Oracle 社のドキュメントによれば、分散型データベースは利用にあたっては SQL 文を使用するようですので、このコストよりも スマートコントラクトのプログラミング言語である、Solidity で同じことができれば開発コストや、運用コストも抑えられるかもしれませんね。実際コストがどうなるかわかりませんが、JPモルガン・チェースが Ripple を裏切って独自路線で開発のフェーズに移ったことを考えると、ある程度期待できる状況なのだと想像します。
まとめ
まだブロックチェーン1.0の応用であるブロックチェーン2.0ってやっと達成できたばかりで、企業利用においては始まってもいません。なので、ブロックチェーンは終わった、無意味だったと言いたいのであれば、「Ethereum は死んだ」、「Quorum が使われてない」とか、「IIN は失敗した」となった時点で判定して欲しいですね。ということで、Ethereum 愛好者としての持論を述べてみました。ビットコインや XRP や株式専門の投資家がどう思っているか、システム開発者がどう思っているかちょっと知りたいですね。
次回以降、仮想通貨は終わったのかということで持論を述べたいと思います。