Ethereum で進化するオープンソースソフトウェア
この前なぜ Ether (イーサ)には価値があるのか?という記事の中で Gitcoin について触れました。今回はもう少し Gitcoin について説明したいと思います。
Gitcoin とは何か
まず最初に Gitcoin は非中央集権型 Github では無いです。 独自のユーティリティトークンもありません。
Gitcoin は Github 上のオープンソースプロジェクトで働いてくれた人に報酬を簡単に払えるようにするサービスです。今までにも労働の対価として Bitcoin だったり Ether を払ったりという活動を個人的にした人はいると思いますが、それをシステムとして構築してサービスとして誰もが簡単に、依頼、受託、支払い、受取という一連の流れを行えるようにしたわけですね。
似たものとしてはクラウドワークスのようなクラウドソーシングサービスがありますが、こちらはオープンソースプロジェクトを対象にしていて報酬は Ether か Dai で行うようなっています。なので利用に当たっては Web3 ブラウザが必要になってきます。
Start building a Burner in React Native · Issue #77 · austintgriffith/burner-wallet · GitHub
これは Burner Wallet での実例です。500.0 DAI (500.0 USD @ $1.0/DAI)ということで報酬が設定されていてもうすでに受託した人が成果を提出していますが依頼者のレビューが終わっていないのか報酬が支払われていないようです。
今までにもオープンソースプロジェクトを支援するようなサービスはありましたが、仮想通貨で報酬が払われる形態のサービスは Gitcoin が初めてではないかと思います。
良いところ
- Ethereum や OSS の発展に貢献している事
- 開発者向けなところ
- 労働の対価として仮想通貨を使えるようにした(恐らく)世界で初めてのサービス
- 実用的
調べてみると今までにも Bounty Source とか似たようなサービスはありますが Paypal 払いだったりします。
悪いところ改善点など
- Git を理解していない非プログラマー非開発者には利用が困難
- 個人的には問題ないが一部の人は Ether, Dai 以外も扱ってほしいと思うかも(少なくとも Ethereum 上のトークンは使えてもいい)
- よくもわるくも Github に依存
まとめ
Linux がブームになった時代、オープンソースで飯を食うという考え方が広まったものの実際にビジネスとして成功したのは一部でした。いろいろなオープンソースプロジェクトがあっても報酬が無いためか、実際に開発に関わるのは一部の理想の高い人たちだけだったような状況でしたが、Gitcoin が普及することでバウンティで生計を立てる人や、もっとたくさんの分野の人を引き入れられるきっかけになりそうです。オープンソースソフトウェアと Ethereum に期待する者としてはかなり注目のサービスです。